北欧のライフスタイルから学ぶシンプルな暮らし方

北欧のライフスタイルから学ぶシンプルな暮らし方

北欧では、生活を豊かに彩るさまざまな習慣があります。手仕事を楽しみ、古い物を大切に受け継ぎ、ゆったりとした時間の流れを大切にする暮らし。そんなシンプルな北欧のライフスタイルをご紹介します。

目次

手仕事を楽しむ暮らしが、高いデザイン性につながる

手仕事を楽しむ暮らしが、高いデザイン性につながる
カラフルなダーラヘスト。さまざまなデザインで一つひとつが愛らしい。

長く寒い冬を室内で過ごす北欧では、インテリアにこだわる人が多く、DIYがとても盛んに行われています。大規模なリフォーム以外は、ほとんど自分たちで手掛けるほど。身の回りのアイテムを自作したり、壁を塗装したりすることは、珍しいことではありません。そうして身につけられた感性は、北欧インテリアのデザイン性の高さに表れています。

スウェーデンの小学校には、工芸品や手工芸品を指す言葉の「Slöjd(スロイド)」という授業があり、生徒たちはテキスタイルや木工・金属細工などを学びます。授業を通じて、ハンドツールや材料の管理の仕方、さまざまな素材を使った設計や制作、手工芸の文化的価値の表現方法などを身につけるのです。北欧ならではの豊かな感性は、子供のころからものづくりに触れることで磨かれているのでしょう。

手工芸といえば、約400年前から作られている、スウェーデン・ダーラナ地方発祥のダーラヘスト(ダーラナホース/木彫りの馬)が有名です。仕事を終えた木こりたちが遊びで作ったものが始まりとされ、体に伝統的なクルビッツと呼ばれる架空の植物模様が描かれています。幸せを運ぶ馬と呼ばれて、お土産としても人気があります。

サスティナブルな暮らしの中に溢れるアイデア

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掘り出し物を探すワクワク感がたまらないLoppisロッピス(蚤の市・フリーマーケット)

北欧では、ものを大切にする文化が根付いています。家庭で要らなくなったものは、すぐに捨てるのではなく、リサイクルやリユースで新たな価値を生みだして活用しているのです。

街にはセカンドハンドショップが多く点在し、紅茶やお菓子などの空き缶から古い食器、洋服や家具までさまざまなアイテムが売られています。古いものを大切にする精神が、日常生活の中に浸透しているのです。

セカンドハンドショップの中には、収益を慈善活動や社会福祉活動に寄付するショップも数多く存在しています。商品を寄付する側は社会貢献ができ、購入する側は欲しいものを安く購入できるのです。サスティナブルな暮らしを実現しながらも、双方にメリットをもたらすスタイルは、見習うところが大きいでしょう。

春から夏にかけては、週末になるとあちこちで「Loppisロッピス(蚤の市・フリーマーケット)」が開かれます。ロッピスは、大会場で開催されるものから、自宅の庭先やガレージを使った小規模なものまで、さまざまな形で行われます。掘り出し物や、希少なヴィンテージ商品が手ごろな価格で見つかることもある、宝探しのような楽しいイベントです。

このように、北欧には、ものを大切に使い、要らなくなったら次の人に託す文化があります。ものを買うときには、それが本当に必要なのか、愛着を持って使い続けられるかどうかをしっかり考えることが身についているのです。本当に良いものだけを選んで手元に置いておくからこそ、大事に扱い、子供や孫の世代まで受け継ぐことができるのでしょう。

一日を豊かにするFika(フィーカ)の時間とは?

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スウェーデンの伝統的なスイーツ「Semla(セムラ)」。アーモンドペーストと生クリームがたっぷり。

北欧諸国は、世界幸福度ランキングの上位に入っています。その理由の背景にあるのは、スローライフな暮らし方や価値観です。たとえば、スウェーデンには「Fika(フィーカ)」というコーヒータイムの文化があります。一般的に、仕事中は午前と午後の2回フィーカを楽しみ、コーヒーを飲みながら甘いものを食べて一息つきます。どんなに忙しくても休憩をはさみ、心身ともにリフレッシュして仕事や勉強へ向かうことで、生産性が向上するのです。

また、フィーカで友人や仕事仲間などと談笑すると、コミュニケーションが活性化され、良い人間関係を築けるようになります。意識的に休憩時間をつくるフィーカという習慣は、スウェーデン人の暮らしや社会を支えているのです。

代々と引き継がれるサマーハウスで夏を過ごす

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海岸沿いのサマーハウス。自然と共に暮らし、自分らしさを取り戻す大切な場所。

北欧の夏は早く、6月に入ればサマーバケーションはもう目の前です。冬が長い北欧では、多くの人が、太陽の光を存分に浴びられるこの季節を待ちわびています。

北欧での夏の過ごし方といえば、サマーハウス。休暇中に過ごす小さなコテージのような別荘で、湖畔や川沿いなどに建てられています。祖父母や両親から受け継いでいる古い建物が多いため、自分たちで楽しみながら手入れをし、大切に使い続けて子孫へ受け継いでいくのです。

サマーハウスでは、特別なことをするわけではありません。湖の魚を眺めたり、鳥のさえずりを聞いたり、森を散策したりと、自然の中に溶け込むような時間を過ごします。都会の喧騒を忘れ、自然の中にゆっくりと身を置き、心と体に栄養を与えるのです。

別荘のような北欧スタイルの住宅事例

北欧の大自然に佇む別荘のように、ナチュラルで美しい住宅事例をご紹介します。

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爽やかで洗練された雰囲気の白い樹脂サイディング。周囲の雰囲気まで明るくします。
(写真提供/Royal Building Products)

真っ白な樹脂サイディングは、ピュアな美しさが魅力です。単色使いでも、縦張り、横張り、木目を活かしたタイプなどを組み合わせることで、樹脂サイディングならではの陰影が際立つ外観に。ウッドデッキを落ち着いた色味にすると、上品な印象に仕上がります。

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2色のサイディングを組み合わせてオリジナリティを高めた外壁。白い窓枠との調和が際立ちます。
(写真提供/Royal Building Products)

樹脂サイディングは、色の組み合わせ方によってさまざまな雰囲気を演出できます。グレーとブラウンを組み合わせると、ほんのり個性を感じさせながらもシックな印象に。

おしゃれ度の高い外壁デザインは、樹脂サイディングの得意とするところです。

北欧の別荘のような雰囲気は、日本の住宅でも演出することが可能です。既存の外壁の上から樹脂サイディングを張り、グレイッシュカラーやアースカラーでまとめれば、北欧デザインの美しさが際立つ外観に仕上がります。樹脂サイディングはメンテナンス性が高く、汚れや泥を水洗いで落とせるため、真っ白な外壁でも安心です。

北欧の人々のシンプルな暮らしのように、樹脂サイディングには、年月が経っても変わらない美しさや魅力があります。長く住み続ける大切な住まいだからこそ、いつまでも美しい外観を保てる樹脂サイディングを取り入れてみませんか?

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著者情報

神谷三理砂のアバター 神谷三理砂 ライター/一級建築士

建設会社にて意匠設計を担当。アメリカでジュエリー制作やアートを学び、独立後は住宅兼カフェの設計や装飾品のデザインを手掛ける。現在は、おもに住宅や暮らしに関する執筆を行っています。

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