外壁リフォームで「金属サイディング」を候補に挙げている方々へ、実はもうひとつ注目すべき素材があります。今回は「樹脂サイディング」について、価格面・性能面からポイントを解説。金属サイディングとの違いを比較しながら、後悔しない外壁選びのヒントをご紹介します。
金属サイディングは何が理由で選ばれている?

価格と施工性で選ばれるサイディング?
外壁リフォームを考える際、最近候補に挙がることが増えている「金属サイディング」。軽量で施工しやすく、デザインバリエーションも豊富なため、戸建て住宅の外壁リフォームにおいて人気が高まってきているようです。リフォーム市場では、古くなった外壁を短期間でリフレッシュできる点や、工期にかかるコストを抑えられる点が評価されています。価格帯としては、材料費と施工費を含めて1㎡あたり5,000〜8,000円程度が相場。工務店や建材店でも扱いやすく、コストパフォーマンスの良さそうな外装材として認知されています。
一方で、リフォームの外装材選びを価格、特に「初期投資」だけで判断すると、後悔することもあります。たとえば、定期的な外壁メンテナンスの有無や、地域の気候・環境によって性能に差が出ることがあります。こうした特性を踏まえたうえで適切な素材を提案してくれる施工会社は、信頼できる会社かどうかを見極める判断材料の一つになります。
見落とされがちな「金属サイディングの注意点」

外壁メンテナンスの価格にご注意
金属サイディングは確かに魅力的な外装材ですが、その性能には「不安点」もあります。たとえば、金属製であるがゆえに、強い衝撃を受けるとへこみやすいという物理的な不安点があります。加えて、塗装が施されているものは10〜15年で色褪せやチョーキング(粉吹き)現象が発生して再塗装が必要になることもあります。

塩害地域ではリスクも
塩害地域ではサビのリスクが心配です。このような環境下では、金属という素材そのものの特性がデメリットになりかねません。実際に「塗り直しのたびに足場費用がかかってしまう」「思ったよりも維持コストがかかってしまった」といった声もあるようです。こうした背景を踏まえると、金属以外の選択肢に目を向けてみることが、長期的な満足度向上につながるかもしれません。
海外で多く選ばれている「樹脂サイディング」という選択肢

外壁にゼオンサイディング®(樹脂サイディング)を使用
北米で30%以上のシェアを誇る外装材
日本ではまだ知名度が高くはありませんが、「樹脂サイディング」はアメリカやカナダで非常にポピュラーな外装材です。アメリカの新築戸建住宅では、30%以上の住宅に採用されており、数十年にわたって信頼されてきた素材です。特徴は、塩化ビニル樹脂を主な原料とし、素材自体に顔料が練りこまれている商品が主流で、洗練された色味とその風合いは、長期間使用しても色が剥げたり色落ちすることはありません。凍害、塩害、錆、酸性雨の心配とは無縁で、施工の際にシーリングを使用しないことからも、メンテナンスの手間とコストを大きく抑えることができます。 耐衝撃性にも優れており、非常に軽いため建物への負担も軽くすることができます。


写真提供/ 住研ホーム(株)
外壁にゼオンサイディング®(樹脂サイディング)を使用
樹脂サイディングは軽量で断熱リフォームと相性抜群
樹脂サイディングは非常に軽量で、建物への負荷が少ない点も注目ポイント。リフォームの際に既存の壁に重ね張りする「カバー工法」に適しており、工期の短縮にも貢献します。
最近注目されている「木造住宅外壁向け上張り断熱リフォーム工法」をご存知でしょうか?この工法は、断熱材を既存木造住宅の外壁に上張りし、既存の外壁を残したまま施工することから、お施主様は引っ越しや家具の配置変更なども不要で、住んだままリフォームできることが大きなメリットです。また、全体の工期短縮・コストダウンにもつなげることが可能です。樹脂サイディングはこの工法との相性が極めて良いのです。
ここでご注意いただきたい点についてお伝えさせていただきます。
金属サイディングは本体に裏打ち材として断熱材が貼ってあるため、既存の外壁にカバー工法として重ね張りすると、『断熱効果の高い家になると』いった情報がありますが、金属サイディング本体だけのカバー工法では、家本体の断熱効果はほとんどないのが現実のようです。
金属サイディングは通気性に乏しく、湿気を嫌う素材であり、さびが発生してしまう可能性もあります。そして、水分(湿気)が外部に排出されず壁体内に滞留すると、壁体内結露をおこして、構造体の腐朽など住宅の耐久性に影響が出てしまう場合もあります。そのため、カバー工法で重ね張りする際に、金属サイディング本体の裏面には「通気層(空気の通り道)」を設ける必要があるのです。
つまり、家本体と金属サイディング本体(断熱材付き)の間には「通気層」と呼ばれる空間を設け、そこにあえて外気と同じ空気が流れるようにするので、金属サイディング本体(断熱材付き)だけのカバー工法では、家本体の断熱効果が高くなるということはほとんどないのが現実のようです。
初期の価格比較だけでなく“生涯コスト”で考える

初期の価格比較だけでは見えない真のコスト
見落としてはいけないのが「メンテナンスにかかる費用と頻度」です。たとえば、10〜15年で再塗装が必要になれば、足場代を含む費用が発生します。対して、樹脂サイディングは塗装不要・高耐候で、30年以上メンテナンスなしで使えるケースもあります。つまり、「初期費用+維持費+交換費用」を含めた生涯コストで比較することが大変重要ではないでしょうか。

外壁にゼオンサイディング®(樹脂サイディング)を使用
価格重視派こそ検討したい「樹脂サイディング」という選択
外壁リフォームの外装材、その決め手は「将来的にメンテナンスの心配が少ないこと」と「外観の美しさが長持ちすること」。単なる初期の価格比較ではなく、総合的なコストパフォーマンスという視点から、樹脂サイディングを再評価してみてはいかがでしょうか。
外壁リフォームは住宅の「顔」をつくる大切な工事です。だからこそ、単に価格や見た目だけでなく、10年後・20年後のメンテナンスや快適性も見据えて選ぶ必要があります。樹脂サイディングは、その軽さと高耐久性により、今後の日本の住まいづくりにおいて注目すべき外装材です。
日本における樹脂サイディングといえばゼオン化成の「ゼオンサイディング®」。
日本国内で約30年の取り扱い実績があります。
気になった方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。