建築コスト高騰時代の原価管理術。利益を守るために取るべき手法とは。

建築コスト高騰時代の原価管理術。利益を守るために取るべき手法とは

今回は、新築・リフォームともに建築資材の高騰が続いている中、どのようにお客様へPRしていくのか?

また原価を圧迫している状態をどのように解決すればいいのか?について解説しています。

それでは、早速コラムの要点からみていきましょう。

  • 建築資材費用は、2019年~2025年で約1.4倍に
  • お客様への販売費用を上げずに、自社で吸収しようとすると限界がすぐにくるため、値上げをしっかりしていく必要がある
  • 外壁市場では、一般的な窯業系、金属系のサイディング外壁を採用する場合、競合が多いため価格競争に巻き込まれやすい
  • 樹脂サイディング(ゼオンサイディング®)は、同業他社と差別化しやすいアイテムとしておすすめ
目次

1.建築コストの値上がりは業界全体の問題

建築コスト高騰時代の原価管理術。利益を守るために取るべき手法とは

出典:建設資材物価指数(2015年基準)

2019年以降、建築資材の価格は大きく変動し続けています。

とりわけウッドショックや原油価格の高騰、円安などの影響により、木材・鉄鋼・塗料・樹脂など、あらゆる資材が軒並み値上がりを続けています。

建築業界全体を見ても、2019年と比べて2025年にはおおよそ1.4倍程度の建築資材コスト増となっているのが実情です。

こうした状況において、住宅会社・工務店・リフォーム業者など、多くの事業者が原価上昇分を自社内で吸収している傾向があります。

しかし、このままの状態が続くと利益は縮小し、企業体力の消耗を招き、やがては健全な経営が難しくなります。

業界全体で「適正な価格転嫁」と「商品の差別化」を考えるタイミングに来ていると言えます。

2.原価アップ分はそのまま価格転嫁する重要性

2-1. 自社で値上げ分を吸収するリスク

建築コスト高騰時代の原価管理術。利益を守るために取るべき手法とは

「お客様に迷惑をかけたくない」

「価格を上げれば契約が減るかもしれない」

そんな思いから、建築資材の値上げ分を社内で吸収し続けている会社も少なくないのではないでしょうか。

しかしそれは、短期的な信頼維持と引き換えに、長期的な経営リスクを背負う選択です。

限界利益が圧迫されれば、営業経費や広告費、人材育成費に十分なお金を回せなくなり、結果として顧客満足度や施工品質の低下を招きかねません。

今後も資材価格の変動は続くと予想される中、適切な価格改定を行うことこそが、健全な事業運営とサービス品質の維持につながるのです。

2-2. MQ会計からも原価の値上がり分は転嫁するべき

建築コスト高騰時代の原価管理術。利益を守るために取るべき手法とは

この値上げへの対策を、経営判断の指標として知られる「MQ会計」からも、売上高から変動費(原価)を引いた「限界利益(M)」と販売数量(Q)に着目します。

この考え方においても、資材費用の上昇に対して価格を据え置いたままでは、M(限界利益)は確実に減少し、企業としての健全性が損なわれてしまいます。

価格を見直し、しっかりと原価上昇分を販売価格に転嫁することは、数字から見ても明らかに「正しい判断」です。

なおかつ、値上げによって販売数量が減ったとしても、条件次第では残る利益が高くなる場合もあります。

さらに、価格競争を正面から避けるためには、「価格で勝負しない構造づくり」が求められます。

つまり、価格転嫁をするとともに、商品そのものの価値や特徴で選ばれるような提案をしていくことも重要なのです。

3.違う商品で差別化をする

3-1. 外壁市場の中で窯業系・金属系サイディング同士の戦いは疲弊の元

建築コスト高騰時代の原価管理術。利益を守るために取るべき手法とは

現在、日本の新築戸建て住宅における外壁材の多くは「窯業系サイディング」が占めています。
これはセメントと繊維質を主成分とした外壁材で、施工性・初期コストに優れることから広く普及してきました。
しかしその一方で、どのメーカーも類似したデザイン・性能で差が出にくくなっているのも事実です。

外壁リフォーム市場におきましては、近年、「金属系サイディング」のシェアが伸びてきております。

シェアが拡大する理由は、既存外壁の上から施工できる「カバー工法」に適していると判断している建築関係者が増えており、窯業系サイディングと比較して軽量で施工しやすい点もあり、リフォーム需要の高い築20年以上の住宅を中心に支持を広げています。
しかし、市場が拡大するにつれて参入するメーカー、リフォーム会社が増加しており、差別化が難しくなっているのが現状で、最終的には「価格」で比較されるケースが増えてきているようです。

結果として、工務店・リフォーム会社にとっては価格競争に巻き込まれやすく、利益が圧迫される状況となっています。

業者間で似たような商品を並べ、価格だけで優劣がついてしまう環境では、どれだけ努力しても利益を残すのが難しくなってしまいます。

そんなときこそ、「競争のステージを変える」ことが必要です。

4.差別化におすすめの外装材「樹脂サイディング(ゼオンサイディング®)」

窯業系サイディングが一般的な日本の新築外壁市場において、また、金属系サイディングが伸びてきているリフォーム外壁市場において、「競合他社と違う商品」で差別化を図るには、根本的に特性が異なる商品を取り入れることが最も近道です。

その点で、樹脂サイディング「ゼオンサイディング®」は、以下の点で大きな優位性を持ち、外装材としての新たなスタンダードとなり得る製品です。

ゼオンサイディング®の主な特徴:

  • 高耐候性・耐久性
    • 凍害、塩害、錆、酸性雨の心配とは無縁で、定期的な再塗装は必要ありません。また、基本的にシーリングを使用しないことからも、施工後のメンテナンスの手間とコストを抑えることが可能な点から、窯業系サイディング、金属系サイディング、塗装と比較して施工後30年含めたトータルコストが抑えることができるなど、お施主様の明確なメリットを打ち出すことができる。
  • 軽量で建物にやさしい
    • 窯業系サイディングの約1/10、金属系サイディングの約1/2という軽さで、建物の構造体への負担が少なく、安心して施工できます。また、軽いため運搬や施工の労力が軽減されることが期待できます。
  • カバー工法の外壁リフォームに最適
    • まったく異なるテイストの外観イメージに一新させる提案ができて、さらに断熱材と組合せることで、断熱性や遮音性などを向上させることも可能となります。張替えと比較して解体する必要が無く、費用を抑えて、工期を短くすることができます。
  • 「きれい」が長続き
    • 塩化ビニル樹脂を主な原料とし、素材自体に顔料が練りこまれている商品が主流で、洗練された色味とその風合いは、長期間使用しても色が剥がれたりすることはありません。ゼオン化成では均等に陽があたる同一面での部分変色につきまして業界初の30年保証※を行っております。(ニューカラースケープ、ロイヤルよこ張り、ロイヤルたて張り)
      ※部分変色30年保証については条件がございます。詳しくは下記の「お問合せはこちら」よりゼオン化成にご確認ください。 
  • 洗練されたデザイン性
    • グレード感と重厚感あふれる鮮やかな色彩、陽射しに映える美しさが、塗装では不可能な美観を演出します。また、本物の木の断面を忠実に再現したシリーズもあります。
  • 部分的な交換で対応可能
    • オープンジョイント工法のため、もし一部に損傷が生じた場合でも、その場所だけ交換すれば済みます。 壁全体の交換やその場所を切り取り加工することなく、製品1枚を新しいものと交換できるため、万が一の際にもコストを抑えられます。

これらの特徴は、単なる外装材としての役割を超えて、「他社との差別化ポイント」として営業トークに活かせる材料となります。

5.まとめ

建築コスト高騰時代の原価管理術。利益を守るために取るべき手法とは。
写真提供/(株)スカイハウス 外壁にゼオンサイディング®(樹脂サイディング)を使用

建築資材の価格上昇は、一時的な問題ではなく、今後も継続する長期的な課題です。

これに対して「自社で吸収する」方法には限界があり、適切な価格転嫁を進めることが経営を守るカギとなります。

そのうえで、商品での差別化戦略は不可欠です。

外壁市場においては、樹脂サイディング(ゼオンサイディング®)という新たな選択肢を持つことで、競争のフィールドを変えることが可能になります。

建築業界が厳しい時代にある今だからこそ、「外装材に何を使うか」「どこで勝負するか」を見直し、共に持続可能なビジネスを築いていきましょう。
日本における樹脂サイディングといえばゼオン化成の「ゼオンサイディング®」。
日本国内で約30年の取り扱い実績があります。

気になった方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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著者情報

外壁に関するデザイン情報、お困りごと、そしてご注意いただきたいノウハウなどを通じて、「樹脂サイディング(ゼオンサイディング)」のすばらしさに気づいていただくことを目指しています。

北米では外壁材として、とてもポピュラーな樹脂サイディング。
長寿命住宅が望まれる日本の住宅用外装材として、ますます注目されています。
お届けする情報を通して、多くの皆様のお役に立つことができましたら幸いです。

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