家のメンテナンスで大きな金額を占めるのが外壁の塗装です。塗り替えの必要がないサイディング材を選んでおけば、メンテナンスの手間と費用が削減できます。今回は、塗り替え不要、水洗いでキレイになる、リフォームでも使える樹脂サイディングのメリットと施工事例もご紹介します。
費用がかさむ外壁塗装、なぜ必要?
家を健全に維持し続けるためには、適切なメンテナンスが必要になり、そのための費用を準備しておくことが欠かせません。中でも費用がかさむのが、外壁のリフォームです。
モルタル吹き付けや一般的なサイディング材の場合、表面の塗膜が劣化してくると水がしみこみやすくなり、構造部にまで影響を及ぼすことがあります。また汚れやカビ、藻は家の美観を損ねます。
そこで定期的な塗装を行い、性能と美観の維持を行います。
外壁の塗装の頻度は、使用されている塗料や塗膜の耐久性、劣化の状況にもよりますが、10年~15年で行うケースが多くなっています。
そこで気になるのが費用のこと。外壁の塗装は面積が広く、足場を掛ける必要があるので、費用がかさみがちです。外壁塗装の目安は100万円前後~で、これが10~15年おきに必要となると結構な負担に。
この費用を削減するためには、高耐久な塗料や外壁材を選んでメンテナンスの手間を減らすことがポイントになります。
その際に注意をしたいのが、初期費用だけでなく、この先のメンテナンスに掛かる費用も含めて検討をすることです。
家の寿命は長いものです。今、安く済ませても先々のメンテナンスに費用がかさむようでは、結局損をしてしまいます。家のメンテナンスを検討する際には、初期費用+メンテナンスに掛かるランニングコスト=トータルコストで比較検討をするようにしましょう。
樹脂サイディングは、外壁塗装の必要ないサイディング材
塗装が必要ない外壁材には、レンガ、天然石、タイル・焼き物系などの他に樹脂サイディングがあります。
今回ご紹介する樹脂サイディングは耐久性が高く、塩害や酸性雨に強く、疎水性で水の染み込みが無いので凍害にも強いのが特徴です。
その丈夫さから、自然環境の厳しい北米では50%以上のシェアがあり、日本では北海道を中心に採用が広がっています。
樹脂といっても、一般的なビニール製品とは異なり、下水道のパイプや雨どいなど住宅の建材に使用される耐久性の高い塩ビ樹脂です。
また樹脂サイディングは表面に着色しているのではなく、顔料を材料に練りこんであるため、塗膜がはげるといったことがなく、色あせや変色がほとんどないため再塗装の必要がありません。汚れやカビ、コケなども水洗いでキレイになります。
もしもペンキがついてしまったり、破損してしまったりした場合は、その部分だけ張り替えることができるので、いざというときの補修も最小限で済みます。
新築はもちろん、カバー工法でのリフォームが可能で、軽いので家屋に負担を掛けにくいというメリットもあります。
デザインは水平横張りのラップサイディングの他に、たて張りやウロコのように張り重ねたシェイクスタイルなどがあります。
樹脂サイディングを使った新築の施工事例
こちらの写真は、北海道に建てられた新築住宅の施工事例です。外壁のほとんどに樹脂サイディングが使用されていて、正面とカバードポーチには木材が使用されています。
これは「脚立に上ってメンテナンスができる範囲」は、木の風合いや温かみを楽しめるようにと考えてのこと。手が届かない部分や、手間が掛かる部分は、塗装の必要が無い樹脂サイディングを張っています。
まめなお手入れが必要な素材も自分で手が届く範囲なら安心ですし、費用も安く済みます。先々のメンテナンスをよく考えて異素材を組み合わせた、デザインと機能を両立させた住まいです。
樹脂サイディングを使ってカバー工法でリフォームをした施工事例
こちらはモルタルの外壁から樹脂サイディングへリフォームをした施工事例です。元の外壁の上から新しい外壁材を張る「カバー工法」でリフォームを行っています。カバー工法なら解体の手間が無いので、その分の工期や費用の節約ができます。
リフォーム後は、外壁の再塗装が不要になりメンテナンスが楽になったのはもちろん、色だけでなく質感も変わったので、外観デザインのイメージが大きく変わりました。
ラップサイディングは立体感があるので、外壁に美しい陰影を生み出し、住まいの外観をより華やかに引き立ててくれます。
樹脂サイディングは、塗り替え不要で、リフォームでも使いやすい外壁材です。上手に取り入れて、わが家をいつまでも美しく維持していただければと思います。
下記に、樹脂サイディングの機能性の高さを実感させてくれる北海道での施工事例の取材レポートがありますので、あわせてご覧になってみてくださいね